テレアポ支援に特化。その営業方法とは。
Webで拝見して、テレアポ支援を中心に営業支援をされてるということだと思うんですけど。今も以前も変わらずですか?
そうですね。会社を立ち上げたときは、テレアポと言うよりも営業代行で、訪問して受注するところまでと言う感じで。
はい。
1年半ぐらいやってたんですけど、2年目の後半とか3年目からテレアポに特化していって。6、7年はテレアポメインで。
会社はもう9年目ぐらいですか?
10年目ですね。ちょうど先月、丸9年をすぎたので。
すごい・・・!
最初予定していた事業計画通りには、全くいってないですけど(笑)
そうなんですか?もともとは営業をずっとやられてて、起業されたことで今の会社になっているんですよね。テレアポ以外の支援はやらないようにしているんですか?
うーん、やらないようにとは思ってないんですが、まだそこまで行ってないって感じですかね。
今後はそっちも広げていきたいなとは思っています。今コールは全て長崎でやっているんですが、営業の計画だったり、どういうアプローチをしていくかだったりを決めるコンサルタントはこっち(東京)にいて。
経験あるメンバーがどんどんコンサルタントになっていってるので、ゆくゆくは研修や営業代行も広げていきたいんですけどね。
テレアポ事業の営業や拡販は、社長ご自身でやられてたんですか?
そうですね、今までは私がやっていたんですが、最近はコンサルタントが自分で取ってくる、という風になるべくはしています。
でもまだ全員がそこまでやりきれてないので、私が行ってるケースも多いですね。
なるほど。その中でも、テレアポの方達に協力してもらって、自社のお客様アプローチを進めていらっしゃるんですか?
そうですね、テレオペスタッフは在宅と長崎でと言うことで、8月から特化しているんです。
この間まで東京にも営業のテレオペスタッフが結構いたんですが、在宅への切り替えが出来る方には切り替えていただきました。
新規開拓はオウンドメディアを作っている取引先に弊社のサイトを作っていただいて。そちらにアップしたブログを介して、過去に接触のあった方からのお問い合わせもあったり、徐々にSEOも上がってきたりで新規導入も増えてますね。
あとは、ご紹介もあったり、8月ぐらいから交流会などにも出るようにしているので、そちらからのアプローチだったり。
そうなんですね。僕自身、tachiageのインタビュアーをやらせてもらいながら、求人系の会社をやっていて、顧客獲得のための準備もやっているので、共感できるところがありました。
「経営者として生きていく」その想いの背景
他のメディアのインタビュー記事で、「経営者として生きていく」という想いが昔からあったと読んだのですが。
そうですね、なんとなく自然と。父親も自分でやっていたり、母親側の親戚もそういう人が多かったので。
サラリーマンという感覚というか、イメージがつかなくて。
ご両親が自営業だと、怖いから自分ではやりたくないという人たちも結構いると思うんですが。
それはご両親がある程度、楽しそうにというか、充実していたんでしょうか?
そうですねぇ。私には見せなかったですけど、大変な時もあったのか、どうなのか。
父親は今でも、”定年がないから死ぬまで働けるのがいいんだよ!”って話をしてて(笑)町工場なんですが、家の近くにあったので通勤は歩いて行ってたり自転車で行ってたり、昼飯に戻って食ってたり。
いわゆる勤めてる人と動きが全然違ったんですね。
…と言いつつ、私は結構遠い距離通勤してるんですけどね。
なるほど(笑)
自分で考えてやる、という姿を見てきていたので。
どんなお仕事だったんですか?
光学レンズの加工とか研磨とかです。東京で。
東京ですか! どの辺ですか?
工場自体は調布市ですね。
ちょうど今、tachiageとは別の部門で、伝統工芸の塗装や、青銅をやってらっしゃる事業の方達を訪問しているタイミングなので、内心聞きたいことが沢山あるんですけど(笑)今も現役で?
今も兄弟でやっています。小さい町工場ですけどね。
先代ずっとからですか?
いや、うちの祖父と父親が一緒に立ち上げたんです。父親が16歳の時に立ち上げてるのかな。
最初は祖父が社長としてやっていて。祖父は他で勤めていたレンズの加工とか研磨をやっている会社から独立して。
父親は中卒からなので、その仕事しかしてないんですよ。55年ぐらいずっと。
凄い。
世の中が変わっていく中、そのお仕事自体がまだちゃんと残っていることが、凄いなって思います。
そうですね、昔と産業構造は変わっているとは思うんですけどね。
昔は半手作業で作るような、量産ではない町工場がいっぱいあったらしいんです。
でも、海外の工場に量産ものがどんどん流れて行ったり、後継者もどんどん減っちゃったりしてて。
ただ、逆に今小規模でやっているところがあまりないみたいなので、開発とか試作品とかの小ロットの仕事が結構入ってくるみたいです。
そうなんですかぁ。昔、その辺をやりたいといった話はあったんですか?
私はなかったですけど、父親は小さい頃は継がせたいと言っていたみたいですね。
高校も行かなくてもいいよ、うちで働けばいいよって(笑)
でも結局は大学まで行って、全然違う畑に。ただ、意外に関連はあったんですよ。
新卒で入った会社が、工場で使うセンサーとか、制御機器を扱っているメーカーだったんですね。
当時は父親の会社と取引はなかったんですけど、私がその会社を辞めた後に取引が始まって、今やっているらしくて(笑)
ええー!
意外と、全然違うところに行ったわけでもなかったんだな、って。
本当ですね。しかも、たまたま蓋を開けたら…っていうことですよね。
そうですね。新卒で入る時は、何をやっている会社か、正直よく理解していなかったです。条件だけで選んでいたので。
勤めていた時と経営者になってからの「差」
勤めていた時と自分で経営している今とで、結果的に一番大きい差って、一言で言うとなんでしょうか?
差は…なんですかねぇ。
「全部自己責任」だと言うところが、大きいんじゃないですかね。
会社に勤めていた時に比べると、視点は180度変わりましたね。
会社にいると、100%自分で考えてやるかと言うと、そうではないこともあると思うんです。
今はかなり細かいことも含めて、日々何かしらの意思決定をしていますね。
勤めていた頃は、責任感を持ってやっていたつもりでも、そうでも無かったなと思います。
なるほど。10年やってきて「当初思ってたよりも出来ていないこと」逆に「早く進んだこと」「これが見えていたらな」ということはありますか?
そうですね、営業をしてきた延長線上でこの事業をやっているので、案件を取ってくるとか、それをメンバーに教えるとか、その辺の流れはわかるんです。
仕組みを作ったり、ビジネスモデルもそうですよね。ただ、組織を作っていくのがやっぱり今でもまだまだだな、と思うんです。
もっと早く作っていれば、色々なものが勝手に早く動いていたんだろうなぁ、と思いますね。
外の企業さんとの連携も含めて、そういう仕組みを作ったりするのが未だに苦手だな、と。
へぇー、そうなんですね?
単にテレアポって言っても、価格設定だったり初期費用などの仕組み一つ見ても、初期費用をいただくお客様とそうでないお客様がいて、その理由とか。
受注につながるところまでは早くできていたんです。
なるほど。それは頑張ればできてしまうので、なかなか仕組みにならなかったんですかね?
そうですねー。良くないところなんでしょうけど、頑張って受注ができていると、そこで終わってしまうところがあって。
その後ですよね、どうやって上手く回るようにするかが、未だに弱い。
自分が頑張ることでなんとかしちゃってた部分を今後は仕組みや育成に、というのはやっていきたいなーと。
それは今後、信頼して任せられるような仲間ができることで、可能になるのでしょうか?
今は右腕のような存在がいないので、長くいる人間が環境的にやらざるを得ない状態ですね。
もう少し何人かでスタートできていればきっと早かっただろうし、仕組み作りももっと出来ていたんでしょうげど。
今後の計画
今後についてですが。移転もされたりで、どういう風に変化していく予定でしょうか?
ある程度社員も増えてきたし、なんとなく回していく仕組みや受注の仕組みも出来てきたので、ここから1年ぐらいは、追加でどんどんコストをかけるというよりは、なんとかコストダウンを測りながら売上を上げていくという事を。
気合いで(笑)
なるほど(笑)
7月決算で、前々期までは売上は伸びてるけど赤字という状態が続いていたんですけど、前期で黒字になったので、今期はさらに黒字を目指していこうと。
次の投資の資金もできてくるので、来期ぐらいに人を増やすか、営業を強化して営業代行の方に力を入れていきたいと思っています。
結果が出せる営業マンが増えてくると、良くなってくると思うんですよね。
クライアント企業は、人を採用してから育成することが難しかったり、予算をかけられなかったりする企業が多いんですか?
そういう企業さんもありますし、営業マンをどんどん採用しているけど、アポが取れて外回りに出ると、テレアポが足りなくなっちゃうとか、アポが取れなければただ電話しているだけになっちゃうとか。
テレアポ部分を外注するというのは効率的だと思うんですよね。
なるほどなるほど。
例えば新卒にテレアポさせて、アポが取れるとどんどん外に出て行って。外に出ていくとテレアポをする人が必要になる。
そんな感じですね。
長崎で60名以上の方が働いているとのことですが、人を集めるのは難しくないですか?
長崎は結構集まりますね。
向こうの企業と提携して進めてて。コールセンターの場所も、たまたまなんですけど、いい場所のようで。
市街地からは若干離れていて、周りが住宅街が多いので、主婦の方が集まりやすいです。
求人情報誌に2週間ぐらい掲載すると、採用ベースで15名ぐらい集まったので。
そうなんですね。その方達の育成には時間がかかるんですか?
かかりますね。
研修はするんですけど、みなさんシフト制で、研修に行った時にたまたまシフトに入っていないと、その時は教えられないので。
入ってから2ヶ月ぐらい経ってるけど、まだ会ってないよね?って人がいたりとか(笑)
そうなんですね。たまたま長崎になったんですか?
うちの顧問が長崎出身で、長崎の会社を紹介してもらったんです。
バラエティに富んだメンバーが強み。その理由とは?
東京の案件が継続的に取れていることによって、長崎の人たちをゆっくり育成できるバランスになってきた感じですか?
そうですね。
メンバーの方達が主婦だったり、バラエティに富んでいたり、年齢も含めいろんな人たちがいることは良いこともある反面、難しさもあると思うんですけど。
はい。けど、うちの場合は案件の種類も運送会社や建設系、IT系の企業など沢山あるので、色々な方がいたほうがいいですね。
喋り方とか、色々なタイプがいたほうがいいんです。その方に合った案件をお願いすれば良いので。
良いところを活かしていく、という。なるほど〜。そういう方たちを意識的に集めてるんですか?
いや、応募して来てくれた人たちですね。
働きたいと言ってくれる方に関しては、よほど条件が合わない方でなければ、積極的に採用しているので。
面接だけだと、どういう結果が出るかわからないので。
そうなんですね!人によって成果にバラつきがあったりするんですか?
バラつき、ありますね〜。
沢山かけられる事を成果として見てるんですか?
少ないより沢山かけたほうがいいんですけど、沢山かければいいかというとそうではなくて。
メンタルというか、性格というか。喋りが流暢だから良い訳でもないし、真面目過ぎても適当過ぎてもダメだし。
えっ、そうなんですか。
真面目に淡々とかけてる方が良いのかなって思ってしまうんですけど。
アポってよくわからない質問もされるんですよね。
わからないことを聞かれても、「訪問の時にしっかりご説明しますね」って繋げちゃえば良いんです。
でも、それができない真面目すぎる人もいて。
なるほど、そうなんだ・・・面白いですね。
面白いというか、難しいというか。
そうですね。
経営者としてのこれからのビジョン
先ほど会社の成長についてお話いただいたんですけど、社長ご自身、”こういう経営者になりたい”という昔からのイメージは何かありますか?
やっぱり会社なので、お客さんとか社会に貢献していないと、売上とか利益って出ないだろうって思うんですね。
お客さんだったり、社会に「あの会社がなきゃ困るよね」っていう会社をどれだけ沢山作れるか、だと思っていたので。自分自身がそうなっていかなくてはいけないのかな、とは思ってますね。売上とか利益オンリーを目指しても長続きしないでしょうし。
しっかり社会に貢献できるようなサービスを提供しなければならないな、し続けられる会社でないといけないな、と思ってます。
なるほど。
では、これから起業したいとか、会社やりたいっていう人に、「こういう経験をすると成熟していくよ」など、メッセージやアドバイス、おすすめはあったりしますか?
夢は持っておいた方がいいし、当然そこに向かってやった方が良いです。
でも目の前の仕事もきちっと成果を出していく。それが挑戦になると思うので。今やっていること、目の前のことでしっかりお客さんに評価される・成果を出すのが大事なんじゃないですかね。そこを疎かにしてしまうと、できないと思うので。
私が20代の時に、「もっとこうしておけば」っていう事があれば、そこですかね。当時はやっていたつもりでしたが、もっとできたなって。
限界までやっておいた方が、起業した後もちょっと違ってたかなと思います。
それはもっとお客さんの事を考えるとか、声を聞くとか、そういう事でしょうか?
それもそうだし、あとは成果ですよね。営業だったら数字とか。まだまだもっとできたなって思います。
なるほどー。
この前、入社半年くらいの知り合いに「自分の将来に繋がっているのかわからない」と、あるあるな悩み相談を受けたんです。
彼にとっても、目の前のことでお客さんを喜ばせて、店舗の売り上げに貢献するっていうところに着地するしかないですよね。
そうですね、何が将来につながるかわからないですからね。
5年後や10年後その時やっていた事が活かせるはずです。その場その場を頑張れないと、頑張れない理由を探しちゃうと思うので。
ですね。
いいから頑張れ、って感じですね(笑)
そんなもんじゃないですか、仕事って。
確かに。
仕事の作業自体にそんなに意味はなくて、どんな意味を持たせるかはその人次第というか。
今目の前にある仕事に対して意味を見出せないのであれば、何やってても一緒なんだろうなって思います。
やっていくと、それが出来るようになるのかもしれないですね。
色々な経験をしていく事で、色々なものが繋がったり、先見の明を持てたり。
他のこともそうかもしれないですけど、物事に好奇心を持って、日々考えられてるかどうかって大事ですよね。
良いパフォーマンスのために気をつけていること
最後の質問です。その「好奇心」を常に充電しておく他に、自分自身が良いバイタリティでいるための秘訣は何かありますか?
今41なんですけど、ここ最近はしっかり休むようにしてます。
やっぱり、20代に比べると体力も落ちてきていて。身体が疲れていると、メンタルに連動してくるので。
周りに比べるとちゃんとした生活を送ってるんじゃないですかね。
何かスポーツとかやられるんですか?
自分はやってないんですけど、子供がサッカーやってるので、そこで審判に駆り出されたり(笑)
ちょこっとは身体動かす事はありますね。あとは、外にそんなに飲みに行かない、行っても遅くならないとか、早く寝る事を心がけてますね。
最近はなるべく23時ぐらいには寝ようと思ってます(笑)
いやいや、そうは見えないですけどね(笑)
早く寝て早く起きると、やっぱりスカッとしてるんで。モチベーションも上がりますね。
朝早く起きて仕事されることもあるんですか?
妻が仕事してて、看護師なので、日中の勤務の時は朝6時に家出ちゃうんですよ。
夜勤もあるので、意外と朝は私が家事をしてますね。子供達送り出して、そこから自分も出ていく、みたいな。
意外!
ありがとうございました!あっという間に、時間が経ってしまいましたね。
ありがとうございました。