みなさんは1日にどれくらいの紙を捨てていますか?紙が意外とお金になるって知っていますか?IT全盛のこの時代に、溶解処理プラットフォームで起業した方がいます。その驚きのアイディアに迫りたいと思います!
現代版「ちり紙交換」の正体とは?
本日はどうぞよろしくお願いします。早速ですが、平成も終わろうとしているこの時代に「ちり紙交換」を復活させたと伺いました。これって本当なんですか?
本当です、ちり紙交換、つまり機密書類や不要な社内のプリント用紙やシュレッダーに出す紙を、安全 に回収・処理をし、ノベルティグッズになってまた使える資源になる。そんなエコで生産性向上も期待されているプラットフォームを運営しています。
人物紹介:長堀さん
3度のメシよりインタビューが好きで、経営者の面白い話を本能的に求めてしまうエコノミックアニマル。自身も、顧問紹介業SEASIDEと、起業家インタビューメディア『TACHIAGE』の代表を兼任する起業家。
ちり紙交換というと、軽トラックで住宅街を周り、古紙と引き換えにトイレットペーパーをもらえるという、アレですよね?
僕たちの場合は、企業で廃棄される機密文書や古紙を専用の段ボール箱に詰めて回収し、オフィス用品などの資源に再生して、ノベルティとしてお客様へ還元しています。
なるほど、紙を回収して再生する点は、まさにちり紙交換ですね!ただ、それが売り上げに結びつくイメージを持てないのですが・・・。
サービスは年間単位でご契約いただき、安定収益を得やすいビジネスモデルを作っています。書類の処理は日々必ず発生することなので、毎日、毎月、サービスを利用していると実感していただきやすく、利用頻度の高さが長期契約の敷居を低くしていることがポイントです。
それから、企業の規模や業種によって回収量は異なるので、それぞれのニーズに対応できるよう料金プランは3種類ご用意しています。
サービスの提供方法や課金方法に、上手くサブスクリプション方式を取り入れているんですね。
思い立ったら即起業。何気ない日常がビジネスのアイデアに。
そもそも、「ちり紙交換」のアイデアはどのように生まれたのでしょうか?
起業する以前、溶解処理プラットフォームとは畑違いのランサーズでサラリーマンをしていた頃、海外出張から帰宅するとポストに溢れかえっている大量の郵便物が気になっていました。
僕も海外旅行が大好きなので状況がよくわかるのですが、ほとんどがDMやチラシなんですよ。
そうなんです、ほとんどの紙が即ゴミ箱行きで・・・。これが企業の規模になると相当な廃棄量になるなと思ったのが、溶解処理プラットフォームのアイデアとなりました。
機密性の高い文書を処理する業者は以前からあったのですが、ノベルティアイテムでリサイクルに親近感を持ってもらい、愛着のあるサービスにできたら新鮮だと思ったんです。
なるほど、ノベルティに交換できることは素直に嬉しいですし、リサイクルという言葉は人間の良心を刺激します。社会貢献事業としても世間に良いアピールになりますね。
はい、そしてこれを思いついた翌月末にはランサーズを卒業して、TAAS株式会社を起業しました。
行動が早い!
起業の情熱を汲んでいただいたランサーズには、本当に感謝しています。
起業に経験値は必要ない。強い意志と行動力が全て。
未経験の業界で起業するにあたって、抵抗や不安はありませんでしたか?
全くありませんでした。未知数な部分は多かったですが、調査するほど、活動するほどに、業界の抱える課題が見えてきて、溶解処理プラットフォームのマーケットを変えたいという思いが強くなりました。専門的な知識がなくても、実践で身に付けられることは多いはずです。
不安を感じなかったとは・・・!自分のできるところから着実に進めることが大切なんですね。
今も、日々頑張っている最中です。まだ生まれて半年のプロダクトではありますが、大手企業からも賛同いただき、とても励みになっています。
社会人経験は、遠回りでなく必要な時間だった。
ところで、大越社長はどのような学生時代を過ごされていましたか?
いろんなアルバイトをしました。例えば、1番長く続いたシティバンクカードの営業は、時給に加えてインセンティブがあったので、金額面で魅力的でしたね。でもそのほとんどを遊びに使っていましたけど・・・。
授業もほとんどすっぽかしてばかりで、優等生ではなかったですね。
意外です!ということは、学生のうちは存分に遊ぶべきだとお考えですか?
学生の頃から、いつかは起業したいという思いはありましたよ。その当時は、コネクションやビジネススキルなんてありませんでしたが、努力が結果を生み、その結果に対価が付いてくるということを、自分なりに納得して働いていたんです。働くって楽しいんだなと思っていました。
起業については早くから意識していらっしゃったんですね。社会人経験は必要なことだったと思いますか?
もし10年の社会人経験無しに起業していたら、確実に失敗していたと思います。10年必要かどうかは人によって違うと思いますが、自分にとって「ここだ!」という起業のタイミングが、10年経った時だった、ということです。
起業家として必要な資質は何だとお考えですか?
一つは、サバイバル精神です。与えられた仕事に従事し、毎月給料が支払われるサラリーマンと違い、自分が取ってきた仕事を自分で処理して、それが直接生命維持に関わるので、ギリギリの状況下で生き抜けるかどうかが問われます。
同感です、強靭な精神が必要ですよね。
それから、新しい価値を生み出せるかどうかを重要視しています。既存のものにも、新しい風を吹き込むことで違った価値を創造できると思うんです。
まさに、現代に蘇らせたちり紙交換のアイデアそのものですね!
地球上から“もったいない”をなくす、壮大なビジョン。
最後に、今後のビジョンをお聞かせください。
溶解処理プラットフォーム『e-Pod』が世界中に知れ渡り、たくさん活用されたいという思いが一番です。ゆくゆくは、地球上から“もったいない”をなくしたいです。
そうは言っても、ペーパーレス化を推進する企業が増えていることに不安はありませんか?
確かに、様々な場面でペーパーレス化が進んではいますが、紙で管理せざるを得ないものも一定数あります。しばらくは、紙媒体が完全になくなることはありえないと思っています。また、今後は個人向けのサービスも展開する予定で、よりお客様の生活に浸透させたいと思っています。
これからも、大越社長ならではの視点で、あっと驚くようなサービスに期待しています。本日はどうもありがとうございました。
ありがとうございました!