起業のキッカケ
いろいろと考えたんですけど、そこなら自分が顧客になるからやりやすいと思ったんですよね。
それで(台湾の靴の会社の方に)「台湾から仕入れてこれを日本で売りたいんだ」って言ったら、私が思うよりも前向きでした。後から考えればタイミングが良かった。タイミングが良かったからいろいろ展開があったんだなと思いますね。
私はそういう方が性に合っているので「足が大きい人はこういうことを知りたいだろう」とか、消費者に寄り添うのが合っているし好きなんです。
ただ消費者と距離があるほうがやりやすい、グイグイ進められる。そういう事業もあると思うのでそこは相性ですね。
一度売却して再スタート
実際事業を売られてから具体的には何をされていたんですか?
わりとフリーランスに近い形でした。
その中で大きなお仕事とかもいただいて楽しかったんです。けどそういうのを一通りやった時にこの延長にあるものをこのままやるのかと考えたら、ECを少しでも自社でやりたいなと一周回って思いました。
というのも、自分が好きだったから何も知らずに始められて、好きだったから5年続けられたんだと他のことも経験してからわかったんですよ。
フリーランスもやって、やっぱりECだと。それで新しい会社をスタートされたんですね。メインの事業は何になるんですか?
前の事業で仕入れていた会社さんが台湾のほうでブライダルを売り出して。日本ではブライダルの靴はどうなのかなと結婚式場側と結婚式をやった女の子に聞いた時に全然取り扱っていなかったので、これはいけるかもと思いました。
ただ構想としては海外との小売りのやり取り、いわゆる越境ECに多くの人が取り組みやすくなる基盤を作りたいんです。というのも海外からモノを仕入れて日本で売る時には一定のポイントで不便なところがあります。これを解消できるものを作りたいなと。
まず自分たちの好きなものでプラットフォームを作って仕組みを作っていきます。その後、その仕組み自体を売っていこうと考えています。
そうすることでもっと海外のモノがたくさん気軽に流通できるんじゃないかなと思っています。
「これ、絶対に需要があるから日本(他の国)で売りたいな」って、海外に行くと思う人多いと思うんですよ。
そういう時に個人や小規模企業でも気軽に日本や他の国で売っていくことができるようにしたいんです。
そうです!すごく夢があるなって感じています。
例えば翻訳の機能を入れ込んだりとか。やっぱり越境ECの壁だと思うものの一つは言語で。英語圏だとそうじゃないかもしれませんが、ほかの言語だとまだまだハードルはあると思うんです。けれど日々のやり取りってパターン化できるものも多いので、そこを定型化したものを組み込んだりできないかなとか。
生き方について
会社としてではなく、平野さんが個人的に人生をこういう風に過ごしていきたいというものはありますか?
それでもそれっぽく生きていける生活がいいなと思っています。
それこそ大学院をでる時に親が許してくれればニートでもフリーターでも何でもよかったんです。でも、ニートになったら周りの友達とも話が合わなくなっちゃうだろうなと思ったんです。
友達とも話が合うしマイペースにも生きられるのがいいなというのが根源にあるんですよね。
別に仕事は嫌いじゃないんですけど、朝早く起きろって言われるとプレッシャーで眠れなくなっちゃうんですよ。そういうのをなるべく減らしたくて。
「起業」っていう単語に多少そういうイメージがついているんでしょうね。
熱意に燃えているとか、成し遂げたい何かがあるイメージというか。
今フリーランスでも会社化している方はたくさんいるので、それをなんという傘にするかっていう違いかなと。
「起業」「自営業」「フリーランス」…内実は同じようなものだったりするけれど、どの表現が自分に一番しっくりくるかで選び取るのだと思います。
私自身は女性起業家という表現をしてしまうとみなさんある程度「女性の社会進出」「出産・子育てと仕事の関係」に意見を持っているイメージがあって、そのイメージ像を期待されると正直何ももっていないので申し訳ないなと思います。
そのチェックがかなう場所を一個ずつ見付けていったら、ここにたどり着いていたという感じですね。
自分にとって居心地よくいられる道を選べる現代に生まれたことは感謝しかないです。縄文時代とかに生まれてたら私はつらかっただろうなとよく思うんですよね。
例えば縄文時代だったら「自分でイノシシを獲るか」「獲ってくれる人と結婚するか」の二択だったらそれはつらいなって、どっちも嫌だなって思うんですね。今ならパソコンの前で一人でジーッとしてるだけでも食べていかれるじゃないですか。
私の場合は人がやっているとかやっていないとかなるべく考えないようにはしていますね。それも結構大変なんですけど。
頑張って「過去にこの人がやっている」とか「周りの人がやっている」からとかではなく、そこに自分の居心地のよさがあるかというのを自問自答しています。
それが大事だと思っています。
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