生涯働けるベンチャー企業に。今の流れと逆行する組織論とは⁉ バレットグループ株式会社 小方 厚 社長

「25歳までは自分の人生を考えてこなかった」と語る小方社長。
そこから7期目で100億超の年間売上を目指せる会社を創ったストーリーを伺いました!
人物紹介:齊藤
TACHIAGEの起業家インタビューアー。子供たちにプログラミングを教えている。好きな食べものはソフトクリーム。

 

人物紹介:小方厚 社長
1977年生まれ。インターネット広告企画営業として株式会社イー・クラシス入社。その後、取締役就任。2009年株式会社エージェントゲートで取締役を務めた後、2013年バレットグループ株式会社を設立、代表取締役就任。

周りに流されていた学生時代、就職での失敗経験

学生時代はどんな学生だったんですか?
普通の学生でしたね。
僕は25歳まで自分の人生について何も考えていなくて、高校も大学も友達が行くからっていう理由だけでかなり流されて行きました。
だから「自分の人生を自分で決めてやる」と思ったこと自体が25歳までなかったですね。
就活の時はどうされたんですか?
もともとは肉体労働をやっていたので稼げてもいたし、汗かいてお金をもらうことが楽しかったんです。だから就活は考えていませんでした。
そこからどうして就活を始めたんですか?
4年生の夏休みになると周りが就活をしていて「あれ?もしかしてこれ、就活した方がいいのかな」と思い、始めました。有難いことに2社受けたうちの1社に内定を頂いたので、すぐやめました。
早いですね(笑)
でも実は、1社目は1年で辞めています。
つまんなかったからやめられたんですか?
それもあるんですけど、直属の上司がすごく疲れていて将来こうなるのは嫌だなぁと思っていました。そうすると色々なことが少しずつ嫌になりましたね。朝起きるのが嫌になったり…
そこから転職するじゃないですか。そこはどんな経緯ですか?
実は1社目辞めてから2社目まで、1年半転職できなかったんですよ。
え!?
要するに自分の人生を真剣に考えていないやつが入れるような会社がなかったんですね。新卒という肩書きがなければもう入れるところはなかったかもしれません。
それは大変ですね。
何社もうまくいかないと途中で心が折れてやらなくなるんですよね。それでまた、ペンキを塗る仕事に戻っていました。ただこのままじゃ疲れ果てて人生が終わってしまう、と考えて1年経って再度就活をしました。

転職は成長スピード重視で

なるほど。そこからはどうされたんですか?
その時にいわゆる同期の人たちの会話についていけなかったので、なんでもいいからその差を最短で埋められて、成長できるところはどこだ!と思って探しました。
成長軸で探されたんですね。
そんなある時、”ドッグイヤー”という言葉を聞いたことがあって。大企業にいて1年間で学べることが、ベンチャー企業だったら犬の年齢と同じで5~7年分学べるぞと。とにかくよくわからないけどITベンチャー企業で最短距離で成長してみようと思いました。
確かにITベンチャーの成長スピードはすごいですよね。
IT業界の面接でびっくりしたのが、自分と同い年の方が面接官だったり、社長が2歳上くらい。率直に「なんだこの業界は!」と思いました。
ほかの業界とは全然違いますよね!
それなのに話すとみんな良いわけです。「このサービスで世界を変えるんだ」とか「世の中に影響を」みたいな。よくわかんないけどこの人たち凄いな、と。
なるほど。結局どこの会社さんに入られたんですか?
IT業界未経験の自分を受け入れてくれるところで1番スタートアップの企業に入りました。最短最速で成長したかったので、事業部長や役員はもちろん、社長さんと仕事に関する会話を身近でできる規模の企業を探していたんです。設立して2年、従業員は数名でした。
その会社さんでは何をされたんですか?
入社してインターネット広告を売ることになったんです。パソコンもわからないのに(笑)そこからスタートでしたね。
当時は分からないことをすることに抵抗感とかはなかったですか?
自分の中に選択権がなかったですね。社長と自分たちとの違いは何なのかを知りたい!というところからスタートでした。だからその社長の言ったことは全部やっていましたね。
そこからどうやって業界のことを学んだんですか?
人数も少なかったので走りながら覚えていきました。当時は携帯もなかったので結構大変でした。でもトラック運転手をやっていた頃は、運転は上手くなるんだけどそれ以上のことはなく、仕事における成長実感があまりなくて。

それがこの仕事を始めると、1日単位じゃなくそれこそ「午前中より午後のほうが成長している!」みたいに成長実感を得られることがとても多かったんです。

吸収スピードがすごいですね(笑)
そこでいろいろ勉強させていただきましたね。
その次の会社は、また設立2年くらいの4名くらいの企業に入りました。

バレットグループをつくっていく上で大事にしてる組織論

スタートアップが好きなんですね(笑)
規模が大きくなると元々やれていたことができなくなったりするんです。
IT企業あるあるなんですが、上場しようと気合いを入れて準備をすすめる中で経営層に新たな価値観が生まれて、一丸となっていた仲間たちとの本来の目的がずれてしまったりします。このままじゃ自分がどこを目指しているのかを見失う…と思い、転職を決めました。

どうして上場準備をすすめると、様々な価値観が生まれてしまうんですかね?
だいたい上場前ってなると周りが接し方を変えてくるんですよね。
そんな中で業績が順調に推移すると、あたかも「上場出来て当然」という感覚がうまれて来るのかもしれません。
なるほど。
そうなると従業員に対しての向き合いも大きく変わってしまうのだと思います。例えばですが、一緒に泥水をすすって二人三脚してきた仲間たちという目線から、会社が上場するために当然に成果をあげるべきメンバーというように。寝食をともにしてきたはずなのに止むを得ない外交活動が忙しくなり、仲間たちの想いや中身ではなく数字だけで評価をすることしか出来なくなることもあるのだと思います。

上場が目的になるとそうなる可能性があるよ、と?
そういうことがあったので、バレットグループの立ち上げの時は他の創業者3人にも株を持ってもらいました。僕よりも割合が大きくなるように3人に分割して付与して、万が一僕が今とは違う判断をする様になって説明がつかない状況になるなら僕を更迭してくれと言って。
え、それは珍しいというかすごい決断ですね…。
周りの方々には絶対うまくいかないと言われました。
確かにそう言われてしまいますよね。
「よっぽどお前が半端ないリーダーシップを張れるならいいけど、そういう会社はほぼうまくいかない。共同代表とかもそうだよ」とすごく言われましたね。
ただ言われるたびに僕は「こいつらとだったら絶対に大丈夫」だと思っていました。
素晴らしいですね!
もしもその当時1人だったらどうされていましたか?
そもそも起業をしてないと思います。
それはどうしてですか?
「何をやるかよりも誰とやるか」を重要視しているからです。あの仲間だから絶対うまくいきそうと感じたし、だからやっていきたいと思いました。
なるほど。
誰をバスに乗せるかが大事で、目的地はどこでもいいんです。富士山だろうが何だろうが。目的地が変わったところで人は降りない。その仲間とバスに乗っているということ自体が楽しければいいんです。
なるほど、それが本質だとは思いますがそれを胸張って言えることが本当に素敵ですね。
僕、究極の組織っていうのは、今の事業を全部やめて「来年からラーメン屋やるぞ!」ってなったときに「やりましょう!このメンバーだったらすげーイケてるラーメン屋できそう!」って言えて、一緒に楽しめて結果成功できる。そんな組織だなと思っています。

そんな素敵な想いを持たれている中で、組織作りにおいて重要視していることはありますか?
コミュニケーションをとっていくことですかね。もっと効率化して社員同士のコミュニケーションも少なくしちゃえば、一時的に売上が伸びるというのは前の会社で経験しているのでわかるんです。
けどコミュニケーションをしていくからこそ阿吽の呼吸が生まれたりする。
例えばどんなことをやっていますか?
福利厚生はしっかり制度設計していますね。あとは社内イベントとか。相当多いと思います。何かと理由をつけてお酒飲んで、とにかくみんなと話していますね。
それは楽しそうですね!
うちみたいに未経験者が多かったりそもそも新卒だったり、人によってはすぐに結果を出すことは難しいですし、心が折れそうになって逃げだしたくなることもあると思うんです。僕が1年目でそうだったので。
だからこそ、輪の中から支え合っていかないといけないと感じています。
短期的な売上を重視するよりも人を重視してきたら中長期的に売上もたってきたということですよね。
そうですね。
そういった取り組みをしていてよかったことはありますか?
「社長業は孤独」とよく聞きますけど、僕はこの会社やってから孤独とか感じたことないです。そこはすごくありがたいなと思います。悩みも共有できるし喜びも倍以上ですから。
それはすごい…!今後の会社のビジョンはどのようなものがありますか?
一生続く会社を作りたいですね。僕の後も何代も続く会社を。おじいちゃんになった時に、今の社長を全く知らないみたいな(笑)
そこまでいけたら本当にすごいですね!
最後になるんですが、そんな小方さんから今後起業をする方に向けてアドバイスをいただけますか?
「起業したいです」という人がいたら「今すぐしたほうがいい、なんでしないの?」と言っています。そんな相談をする人は起業しない人が多い気がします。本当に起業したい人って、相談する前に起業しているんですよ。だから何故、そもそもその悩みをもっているのかということを分析することが重要だなと思います。

起業するってそういうことですもんね。
ただ一方で、とにかく起業したいという一心でする人はあんまり上手くいかないことが多い。起業したい、社長になりたいって人多いじゃないですか。僕はとにかく起業しようぜということで起業したわけじゃなくて、会社を設立したと同時に、メンバーが1年間食っていける売上は確保しました。何もないのに起業するのは絶対に失敗すると思うので何かの準備やプランは必要だと思います。

やっぱり準備した人の方が後に慌てなくて済む。というか、冷静でいられるんです。結局、焦ると普段できることが出来なくなる。だから覚悟を決めてやるんだったら、準備だけはきちんとしたほうがいいと思います。

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