周りに「無理だ」と言われながらサービスを作った。 ファッション系アプリの最先端を行くブルームスキームの裏側とは 株式会社ブルームスキーム 中里 裕史 社長

自分の生き方を貫くために起業という選択肢をとったと語る中里さん。その真意を伺いました!
人物紹介:小林
TACHIAGEの起業家インタビューアー。ストリート系のファッションが好きだったが、最近は大人っぽい服が似合うようになりたいと思っている。

 

人物紹介:中里裕史 社長
戦略コンサルティングに従事後、大学院にて数理ファイナンスを研究。フリーランス、スタートアップCOOを経て、株式会社ブルームスキームを設立。事業開発を担当。専門は事業戦略・業務戦略策定、経営統括。

起業は自分の生き方を通すために

新卒でコンサルティング会社でのお仕事をされた後に、フリーランスになられた背景は何だったんですか?
僕はコンサルティングに向いていなかったんですよ。
というのも、あんまり自分が欲しいと思えないプロダクトで仕事をするのが苦手だったので。
自分が興味を持てるプロダクトをやっていないクライアントだと、あんまりやる気が出ないタイプだったんです。
それで自分の好きなもので仕事するためにフリーランスを経て起業したんですね。
なぜファッション業界で起業されたんですか?
もともと服が好きだったんです。
ただ、アパレルショップの、店員の目線を気にしながら試着室で服を脱いだり着たりしてっていうのが好きじゃなかったんですね。
なるほど。
つまり服は好きなんだけど、今のアパレルショップのカスタマイズスタイルはあんまり好きじゃなかったんです。そこを変えようと思いました。
昔からスマホ1つで自由にアバターを着せ替えできるアプリがあったら良いのにっていう思いはあったんですが、技術的にどうやればいいかわからなくて。
ただ3Dスキャニングのコストがすごい下がってきたりだとか、あるいは顔をスキャンしてそれをアバターで使うための技術が揃ってきたりして。
結構できるんじゃないかなと思ってスタートしたっていう感じですね。

そうだったんですね。どういう風にサービスを作っていったんですか?
実はエンジニアに「こんなプロダクト作れないですか?」って聞いたら、「いや、無理。」って言われてしまって。
当時は無理だったんですか!
2017年の夏くらいだったんですけど、誰に聞いても「大変そう」とか「無理」って言われて。
「ええ、そう? じゃあ自分で作るか」と思って、自分で3ヶ月くらいでプロダクト作ったんですよね。
できたんですか(笑)
あくまでプロトタイムですが、できました。
3Dのフリーソフトにblenderっていうソフトウェアがあるんですけど、それを使ってプロトタイプを作りました。
アバターの体型とかが変化するものです。
その後はどういった事業の進め方をされたんですか?
それを3Dの勉強会に行って発表したら、興味を持ってくれた人が結構いたんです。その段階でそこの勉強会に参加してた人が3人入ってくれて、その4人でスタートしました。
その後2人は抜けちゃったんですけど、1人は今のCTOです。
起業されていく中で不安に思うことはなかったですか?
実は、起業する時よりも、会社員時代が一番不安が大きかったんです。自分で人生コントロールできないじゃないですか。

要は、会社が「あなたはこのプロジェクトに入りなさい」「この仕事やりなさい」って言ってくれるんですけど、僕の観点からすると、それはあんまり楽しくなかったんです。「将来性も微妙だよね」みたいな仕事が降ってきたりする事もあるわけで。

「50代くらいになっていきなりリストラされたら人生終わっちゃうじゃん」と考えて結構不安だったんです。

それでフリーランスになったんですね。
はい。自分でコントロールできるわけですよ。
ただ、自由だけど自分で全部責任も負わなきゃいけないよねっていう面もあって。それをフリーランス時代に学んでおいた事は、起業するにあたってスムーズだったと思います。
ご自身一人のマネジメントと、会社の代表になられてチームでのマネジメントの違いで気を付けていることはありますか?
やっぱりチームのメンバーに仕事を任せて一緒に進めていく上で「1ヶ月以内にやってね」って言ったことが、1ヶ月後に全然できていなかったりすることがたまにあったりするんです。
なので、進捗管理とかはきちんと機械的に自動的になされるようにするとか、いわゆる仕組み化の部分ですね。

それぞれのメンバーが勝手に考えて勝手に動いてやってくださいね、ではなく、ある程度はそれをうまくするための仕組み化は結構意識してやるようになりました。

計画ではなくとにかく行動

なるほど。起業して“ご自身”が変わられたことはありますか?
もともと僕ってかなり先まで見越して、最適な道を選んでいこうみたいなタイプだったんです。ただこの仕事をしてわかったのが、全然計画通りにいかないんですよね。だからあんまり考えても意味がないのと、先々まで考えても、結局計画通りにいかないしストレスが増えるだけなんですよ。

結果として、考えるスパンがどんどん短くなってきて細かく先のことを設計するよりも、ざっくり正しい方向に今進んでいるっていう確信があればそれでOKって考えています。

どういうことですか?
目的地である東に進んでいるから良い。
東に進む上で、今日明日で正しいのは何かって考えて、それをやっていれば良いみたいな感じです。

正しい方向に進んでいることは確かですけど、結局細かい行動レベルで何が最適かっていうのはわからないですし、どれだけ考えても情報が足りなさすぎて分からないことが多いんです。

なるほど。
結果として最近やっているのは、5つ選択肢があった時に、どれが1番正しいのか、どれが1番最短なのかって考えている時間が無駄なので、「5個全部やれば良いじゃん」と考えています。

5個選択肢があったら優先順位を決めて、片っ端からさっさと片付けるっていうのを最近はやってますね。
結局世の中が20年後どうなるかって誰もわかっていないと思うんで、あんまり細かく設計してもしょうがないかなって思いますね。

面白いですね。
中里さんが独立して起業されている原動力は「こういう世界観作りたいよね」っていう理念からこられているんですか?

そうですね、それは必要条件になりますね。でも一旦やり始めるとそれしか見えない状態になるんです。というのも、目標作ったら達成しないと嫌なんで。

会社も、そういうカルチャーになってきましたね。これドーベルマンって僕は呼んでるんですけど、「みんなドーベルマンにならなきゃいかん」ってずっと言っています。

警察犬ですよね、ドーベルマンって。
そうです。警察犬って組織として目標をどこまでも追いかけるじゃないですか。
犯人に嚙みつけって言ったら絶対噛みつきに行くし、どこまで行っても絶対追いかけて行く。いったん噛み付いたら絶対離さないじゃないですか。目標に対してそういった会社にしたいなって思っています。

なので社内でドーベル賞っていうのを作っています。ノーベル賞的な(笑)

どうすればできるようになるかを考える

良いですね!
ベンチャーに必要なマインドですもんね。
そうですよね。
ただスタートアップってバカみたいに働くのに給料はそんなに出ないところがあるから「なんでこんなに働いているんだ」ってなっちゃうんです。そこのバランスが結構難しいですね。
でも社員さんが来るってことは、そこの理由づけがうまくされてるってことですよね。

そうですね。うちはブログを始めたんですけど、ブログでは成果をどんどん発表していこうと思っています。とにかくどういう事をやっているかを発信していって、その成果に共感してくれる人だったら一緒に頑張ってくれるかなって。

自分が行動して背中を見せていくのが一つと「とにかくやるんだ!」って伝えて、それでできなかったら「なんでだろうね?」って本人達に聞いています。

そこは前向きに、「なんでできなかったんだ」というトップダウンのコミュニケーションじゃなくて、「どうしたらできるんだろう」って一緒に考えるんですね。
そうですね。
どうやればできるようになるかを知るために「なんでできなかったか」は聞きますけど、責めるために言った事は一度もないです。

起業してよかったと思えること

中里さんが考える起業するにあたってのやりがいは何ですか?
やりがいは、自分が欲しいプロダクトを作っているので自分のやりたいようにやっていること、自分で決めて作れるところです。
まあ、一言で言うと自分でコントロールできるってところですね。
逆に大変だったことは何ですか?
大変だと思うことって得しないんで、大変だと思わないようにしたんですよね。だから大変だと思うことはないです。
えぇ!すごい!(笑) 自分を律しられているんですね。
僕の特技として自分の感情を割とスイッチオン・オフできるところがあるので。不安を感じても得しないから不安を感じるのやめようと思うと感じなくなれるんです。
だから大変だって感じないのでよくわからないですね(笑)
すごい…ありがとうございます。

最後になるんですが、今の大学生とか高校生とか、就職するか自分で事業を持つかで悩む方に向けてアドバイスをお願いします。

やっぱり人間幸せになれるのって、自分に向いていることをやっている時だと思うんです。
僕はコントロールされながら生きるくらいだったら、自由に好きなことをやりたいっていうタイプなので起業しました。

ただ、世の中には「自分で何もかもコントロールしなくてもいいから、ある程度安定した環境下で保証されてます」みたいな環境の方が良い人もいると思います。まずは自分を知ることですね。

それが決まったらその特性が最も活かせる環境がどこなのか、見極める必要があると思います。

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