フェアに戦える資金調達の方法とは⁉ 日本初の株式クラウドファウンディングのCOOへインタビュー! 株式会社日本クラウドキャピタル 大浦 学 代表取締役COO

日本初の株式投資型クラウドファウンディングをされている日本クラウドキャピタルCOO大浦さん。創業の背景と投資家の今についてお伺いしました!
人物紹介:大浦 学 COO
2012年大学院生時代にシステム開発会社 設立。明治大学大学院グローバルビジネス研究科 卒業後、2015年 株式会社日本クラウドキャピタル 設立 。代表取締役COO。

 

人物紹介:石島
TACHIAGEの起業家インタビュアー。教員を目指していた時期もあり”学生に勉強の楽しさを教えるのが好き”という側面も持っている。学生時代は野球少年だった。

今の時代に合わせて起業、資金調達の経験から…

日本では初めての試みの「株式投資型クラウドファウンディング」をなぜ始められたのか、まずは経緯を教えてください。
株式投資型クラウドファウンディングとは⇒ インターネットを通じて、個人の投資家がベンチャー企業など非上場企業の株式に投資できる仕組み。
もともと起業を考えていて、最初は大学院生の時にIT系の会社をつくりました。
今後の人生を考えた時に、いっぱい会社を持っていたほうがいいと思っていて。一社潰れたら人生終わっちゃうというのがリスクだから、いっぱい会社をやりたいと思っていました。

最初何をやろうか考えていた時に、今の時代だとやっぱりITをやっていれば、次の会社やいろんな会社をやる時にも繋がると考えて作ったんですね。
ただIT系の会社といっても別に知識があるわけではなかったので、仕事は取れても作れなくて、逆に謝りに行くということを三年間くらい続けていました。

三年間は今の事業とは別のことをされていたんですね。
はい。最初はシステム開発やアプリ制作などをやっていました。

三年経った頃にアメリカでクラウドキャピタルの仕組みが出てきて、UberやAirbnbといった有名な会社がネット上で資金調達していたんです。
「なんでこれ日本にないんだ」というところから今の株式型のクラウドファウンディングを始めました。

ご自身の経験でも資金調達の難しさがあったんですか?
はい。
自分たち自身も外部の資金調達を考えていた時期があったんですけど、ベンチャーキャピタルだと投資契約書の厳しさ、株価のところが難しくて。
スタートアップやベンチャーの資金調達って、やっぱり経営者よりも投資家側のほうが全然知識を持っていて非対称性があるんです。
そうなると投資家のほうが影響力が強くなっていき、厳しい契約条件であっても経営者側は飲まざるを得ない。
そういう閉鎖的な環境だったんです。

今のインターネットの時代を考えていくと、今までは芸能人や報道機関といったものからしか発信できなかったものが、ユーチューバーやブロガーのように一般の人でも発信ができるようになっている。
それが金融だけはそうなっていなくて一部の人がずっとやっている世界だったので、インターネットがあれば金融もオープンなものにできるのではないかと問題意識を持ちました。

そうだったんですね!
最初はIT分野だと思ってプロダクト側から入って作ったんですけど、当時は金融商品取引法で違法行為だと言われてしまって。
じゃあどうしようかと考えていた時に、2015年の5月に金融商品取引法が改正されて、事業が本格的にスタートしました。

真のフェアな資金調達とは

では、法律が変わる前から取り組まれていたということですね。
はい。どちらかというと、法律よりも海外のほうを見ていた感じでした。
実際に現地まで足を運んで、海外ではオープンな金融のプラットフォームがあるのを見ていたので、日本でも遅かれ早かれそうなると感じていました。
海外の投資状況は起業家と投資家はフェアなんですか?
フェアですね。
我々もビジョンとしてフェアに戦えるプラットフォームを目指しています。

何がフェアかって言うと、何かに挑戦しようと思った時にボトルネックになってくるのはやっぱりお金の部分が多くて。
でもお金って運が良ければ集まったりするし、資金調達って運の要素も強いんです。

大浦さん自身の資金調達も運が強かったとお考えですか?
そうですね。自分たち自身もうまく資金調達ができたのは運やネットワークの要素が強いと思っています。
ただそうじゃなくても、面白いビジネスがあった時にネット上で一般の人たちが判断できる世界があってもいいよねというところから、このビジネスを作っていきました。
運だけではなく、実力で出資の判断がされるようにしていきたいということですね。
フェアというのは、我々が決めるのではなく、最終的には投資家の集合知で決めていくのが究極のフェアだと思うんです。
我々の裁量が入ると、どうしても金融機関としての偏った見方になってしまう面もあると思うので。

そことは違う世界、つまり不特定多数の投資家たち200人、300人が投資しないと成立しない世界がいいと考えています。
というのは、200人、300人がイエスといえば資金調達が成功していいし、その人達がノーだというのであれば、集合知的には足りていない時だから頑張りましょうという判断になる。
それが一番フェアだと思うんです。

クラウドキャピタルさんのサービスを使われている企業はテック系が多いですよね。
投資家さんが求めているものがテック系ということですか?
確かにAIやIoT、FinTech等に興味を持たれている方は多いです。
ただテック系じゃないケースでも人気になるケースがあるんです。社会性の軸とか。

投資家は2種類に分けられると考えていて一つは投機的な投資家。
キャピタルゲインを得られればいいと考えている人で、いくつも投資して利益を得るというのが投機的投資家です。

もう一つが共感性投資家。共感を持っている投資家ですね。どちらかというとこちらのタイプのほうが多いです。
彼らが求めているのは会社の成長を楽しみたいというブリーダー的な要素。
だから会社がIR情報とか公開することになるので手伝えるところは手伝って、成長を見てみたいという人たちですね。
自分が共感したからこそ、そこで儲けたいというよりも会社が成長して社会に影響を与えていって欲しいという社会性を求めている投資家さんです。

そうなんですね。投資をされる人はお金のところがメインだと思っていたのですが、それだけではないんですね。
そういう意味では我々のサービスの投資の特徴って、企業と距離が近いところなんです。
だから共感性の投資家さんが多いんだと思います。
上場株だったら距離が全然遠いんですよ。社長とかに会えるわけじゃないし、いろんな投資家もいるし何をやっているのかわからないし。
自分の投資のインパクト、会社に対するインパクトって全然ないんですよ。

ソーシャルレンディングの中には投資先の非上場企業の名前や情報を出さないものがあるんです。
完全な金融商品として投資先の会社名も出さずに利回りが5%ですよみたいなキャッチフレーズで投資家を集めるのが一部のソーシャルレンディングの世界なんですけど、我々の世界では、非上場ではあるけれど会社のことをしっかりと提示してもらっているんですね。

そうなると投資家の人たちは個別の会社を一つ一つ自分たちで見ていって、その会社がいいのか悪いのかという判断をして投資をすることになります。
そこの会社に共感するかどうかが重要になってくるんです。

フェアに勝負できる未来を創る

なるほど。
最後になるんですが、メインがスタートアップの支援だと思うんですけど、将来的には何かアプローチを考えているところはありますか?
まず短期的にやろうと思っているのは、スタートアップマーケットの成熟です。
僕らのところで資金調達をした会社がすべて失敗した場合、投資家が全員いなくなってしまいますよね。マーケットとして必要になるのは出口だと思います。
僕らが入り口で資金調達をして、その会社がバリューを出す努力をし、しっかりと投資家がイグジットできたという実績を作っていく事が非常に重要だろうと考えます。

このマーケットを成立させるために、入り口と成長と出口の三つの事業を作って、それぞれで我々ができる優位性のある支援をしっかりとして、じっくりスタートアップの市場を作っていきます。

長期的には、エンジェル投資を民主化していきたいです。
今はまだ、エンジェル投資はものすごく敷居が高いものなっている。
一部のお金持ちの人たちや、べンチャーやスタートアップがどういう会社かわかった人たちじゃないとできないので、日本にはまだ数百人しかいないんです。
それを我々が入ることでハードルを下げることができるのではないかと思っています。
さらに多くの人が投資できる状況を作っていきたいんです。

将来的に目指しているのは「フェアに勝負できる未来を創る」というところです。
一億総起業家ってところでそういうのしたいよねと。「こういうアイディアがあります」ってなったらやっぱり重要になるのはヒト、モノ、カネ、というところなので、ヒトもモノもカネも集まっていく。
チャレンジしたい時に、ITを駆使してそれを応援してくれる人が参画していく仕組みを最終的には作っていきたいと考えています。

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