子育てをしながら、好きなことを仕事に 株式会社プチトリアノン 山内美穂 社長

結婚式の招待状やウェルカムボードなど、オリジナルウエディングアイテムを手掛ける株式会社プチトリアノン。

結婚式が最高な日になるよう、華やかに彩るアイテムを作り続ける山内社長にお話をお伺いしました!

人物紹介:山内美穂 社長
千葉県出身。銀行、アパレルメーカーのデザイナーを経て、結婚を機に退職。ウェディングペーパーアイテムのオンラインショップARARS(株式会社プチトリアノン)を立ち上げる。現在は3児の母。

 

人物紹介:山本
駆け出しのインタビュアー。見かけは落ち着いているが、内には熱いものを秘めている。

起業に至るまでの道のり

起業されたのは何年ほど前ですか?
14年くらい前ですね。今は起業って結構増えていると思うんですけど、当時はかなり珍しかったんです。

起業をしていると言うと「え、起業?」とよく言われました。
結婚した後に起業したので、趣味をやっているくらいにしか思われていないのかなという感じでした。

起業して3年後に株式会社になって、昨年12月で株式会社化して10年、起業してからはもうすぐ14年です。

新卒では銀行に就職されたんですよね?
はい。大学を卒業して、大手の銀行に就職しました。
大学は文学部で、なんとなく大手の会社に行くという周りの波に乗って就職したのですが、やっぱり自分のやりたいことと違うなということを感じて…。
すぐ辞めてしまうなんて考えが甘すぎたのかなって思うんですけど、結局丸1年の3月いっぱいで辞めました。

元々ものづくりは好きだったんですけど、専門的に学んだことはなかったので、デザインをゼロから学べて1年で卒業できる専門学校に入りました。

銀行時代に得たものってありましたか?
当たり前ですけど社会人としての心得とか、あとは銀行ってすごい細かい世界なので、想像していたよりもずっと働くことの大変さを学びました。
やっぱりお金のことって人生において大切なので、学んで無駄になることはなかったと思います。
デザイナーの学校に通っている時は、並行して転職活動をされていましたか?
本当はデザイナーの応募資格ってデザイナー学校等で3年の履修者なんですね。
でも4月に通い始めて6月くらいから転職活動を始めました。
その時点で私はまだ2ヶ月くらいしか勉強していないんですけど、翌春からデザイナーとして就職すると心に決めていたので。

それで、進路が決まったのは秋くらいです。
卒業する時にデザイナーとして就職が決まっていたのは私を含めて2.3人でした。
現実の厳しさと、やる気次第で夢を叶えられるのかなと感じました。

転職後、起業に至るまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか?
デザイナーは転職後2年で辞めてしまうんです。
経緯としてはまず、デザイナーとして就職する4月の直前の3月に当時お付き合いしていた今の主人が中東に転勤になってしまったんです。

20代前半で相手が長く付き合っている人とかだとそういうタイミングで結婚して奥さんを連れて行くのかなと思うんですけど、4月からデザイナーとして就職できるのに、着いて行くという選択肢は私の中には全く無かったです。

その後約2年の月日が過ぎ、結婚するタイミングでデザイナーを辞めました。
結婚生活はすごく充実していて様々な経験ができて楽しかったんですけど、何もしていないっていうのが性に合わなくて…。

その年の夏に起業しました。
まさかこんなに長く続けるとも会社にするとも思っていなくて、趣味で好きなものを作って売ったりできたらいいなという思いで始めました。

今は起業ブームもありますけど当時はそこまでその風潮はなかったですよね。
お付き合いされている男性が海外に行かれるタイミングで相手に着いていくってよくあるケースだと思うのですが、自分の道を進み、結婚後に起業されたってすごいですね!
子供の頃から両親に「仕事をしている時間って人生の中で一番長い。好きなことを仕事にできるって最高なこと」って言われてきたんです。

私が銀行を辞めて勉強し直したいと言った時も、せっかく大手の銀行に入れたのに辞めちゃうなんて…って言う人もいる中で、両親は全く反対しなかったんです。
すごくいいじゃないって言ってくれて、デザイナーとして就職する時も、事業を立ち上げる時も好きなことを仕事にできるっていうことをすごく応援してくれた気がします。

手作りアイテムで結婚式を彩る

起業されてからはどんな事業を展開されてきたのですか?
当時始めた頃って手作りのものにお金を払ってもらって誰かに売るということ自体が非常識というか、「手作りのもの?」みたいなそういう感じでした。
そんな中でひとつずつ手作りをしてウェディングドレスに欠かせないレースを貼り付けているというのが、うちの商品の売りでした。

結婚式の招待状って今はいろんなデザインが出てきていますけど、当時はただシンプルな紺地に「寿」って書いてあるだけのものとかが多かったんです。
可愛くてパッとみた時に何の案内なのかわかるようなものがあってもいいのかなって思って作り始めました。

結婚式の招待状や席次表など紙で作られている結婚式で使われているものがメインであとは、リングピローやウェルカムボードなど結婚式の小物を作っています。
小物ではあるんですけど、そこから自分の結婚式のテーマを決めたり、テーマ性があって二人らしい結婚式ができるきっかけになるようなものを作っています。

手作りってただ単に手で作る以上に心がこもっている、温もりを感じられて良いですよね。
そうですね。手作りっていうと誰でもできてしまう気がするんですけど、ただ手作りだと素人感が出てしまうというか…結婚式のようなちゃんとした場で使うと残念なような感じになってしまう場合もあるんです。
なので、そこはスタッフたちがハンドメイドなんだけどプロの仕上がりで、温もりがあるけど無機質じゃないものを意識して作っています。

山内さんが手掛けるウェディングアイテムのオンラインショップ 
ARARS
http://arars.littlestar.jp/

会社はお母さん達の居場所  

働かれているスタッフさんはどのような方々ですか?
全員女性です。起業してすぐ人を雇い始めたのですが、その当時は私と同世代の20代だった人たちがどんどん一緒に年を取っていって、出産ブームがあって、今全員小さい子供がいる母親です。

一番会社が乗っていたピークの頃が最も人数が多くて、徐々に子供を産んで通勤できなくなって在宅業務にすることで、通っているスタッフは昔に比べれば減ってきています。

その分在宅業務、リモートワークという働き方がメジャーの時代になりましたし、困った時に頼れる先って意味でスタッフ達がずっと繋がってくれていることを有難く思っています。

会社は働く場所だけじゃない。母親同士の交流の場、お互いを助ける場としても活用されているんですね。
母親で働くってすごく大変なことなんですね。
その気持ちを分かり合える場っていうだけでもお母さん達の居場所になっているんじゃないかと思います。

小さい子供がいてフルタイムで働けない人たちは在宅業務が中心です。
他にもオフィスでお客様対応をしたり事務作業する人もいます。
中にはパートを他でやりつつ、可愛いもの作りたいからって来る人もいます。
同じ時期に出産し、現場を離れても仲の良い関係を気付いているスタッフもいて、大人になって職場でそんな関係になれるって珍しいと言われたと話してくれるスタッフもいて。

とても良い環境ですね。
本当はもっとそういう形で雇用できたらいいなと思うんですが、私自身が動かなければ会社は改革されないし、成長もないので、子供が3人いて、仕事に割ける時間も減ってしまっている今は本当に少しずつです。

起業した頃は、仕事が好きなことだから四六時中仕事のことばっかりだったんですけど、今はなかなか思うように仕事が進みません。

お子さんを3人育てながら社長として経営するのってとても大変ですよね。仕事と育児を両立するコツがあれば教えていただきたいです。
母親業ってよく言いますけど、年中無休なんですよ。
その中で仕事は私にとって休憩です。
仕事って自分の思ったことをひとつずつ片付けていけるので、自分らしく居られる場所なんです。仕事があるからこそ、時間的にはすごくタイトなんですけど自分らしく居られるかなと思います。
自分らしく居られる場が仕事であるからこそ両立できるのですね。
お金を稼がなければいけないから仕事をしなくちゃではなくて、好きなことで自分がやりたいから続けているっていう状況で居られるのは主人に感謝しなくてはと思いますね。
ご主人のご理解っていうのも大事ですよね。
見守ってもらっているのはありがたいですね。
両親達も理解して協力してくれています。
もっと今の職場のようなママ達の居場所を増やせればないいなと思うんですけど。

花嫁、ママ目線でサービスを展開したい  

今後のビジョンや挑戦していきたいことってありますか?
今までほとんどの商品の制作工程マニュアルを作って、テーブルコーディネートなど会場で使う雰囲気やスタイリングを意識した商品撮影を行ってきました。

そういうものをまとめて本を出したいというのが今のひとつの目標です。今、本は売れないとは言いつつも花嫁さんが準備するときにマニュアル的なものがあっても良いのかなって思っています。

結婚式を準備の段階から楽しめるって素敵ですね。
結婚式ってどんなに準備してきてもあっという間に終わってしまいます。結婚準備期間も二人の素敵な思い出になって欲しいと思います。

インスタグラムで花嫁さんたちの投稿を見ていると、結婚式を節約しようとする風潮が高まっているようですが、せっかくお金をかけて行う結婚式をすると決めたなら、節約しすぎて寂しい感じになるよりも、プロに任せる部分と自分で行うことを見極めて欲しいです。

また自分自身が花嫁だった立場から結婚式で使うものをお店で作ってきたので、今度はママ達目線の商品を何か展開していっても良いのかなって思っています。

行動力と継続力が大切

将来の起業家や子育てしながら働いている女性へ応援メッセージをお願いします。
大切なのは自分でいかに行動するかだと思います。
口で言ったりするのは簡単だけど、いかに早く動くかというのはずっと感じていて、思った時にやらないと実現しないと思います。
だから、思い立ったら即行動が大切です。

特に女性でお子さんもいるとなかなか形にするのって難しいとは思うんですけど、まずは一歩踏み出してみることが大切なのかなと思います。
即行動してもそれは簡単なことじゃなくて大変なことの方がきっと多いんですよね。
だからいかに諦めずにやれるかという継続力、ダメな時も踏ん張って乗り越えることが大切だと思います。 

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