安心して長生きできる社会を創る! 介護する人を支える新しい社会インフラを。 株式会社クラピス 杉本 優斗 社長

今後訪れる、日本の超高齢化社会。安心して長生きできる世界を創ろうと考えた時、介護する側のサポートを徹底的にやろうと思った。

実際の介護家族の声から生まれたサービスを展開する、株式会社クラピス創業者の杉本社長にお話を伺いました。

人物紹介:杉本優斗 社長
愛知県出身。曽祖母の介護を経験し、介護業界に興味を持つようになる。大学生の時に株式会社クラピス設立。福祉介護業界特化求人サービス「WellCrew」、介護業界特化採用アウトソーシングサービス「WellSmart」、オンライン介護相談サービス「curapis」を運営。

 

人物紹介:大熊
TACHIAGEの起業家インタビュアー。現状の介護業界に危機感を感じ、デイサービスの現場でも働いている。クラピスのサービスの1つである「介護ドック」に興味津々。

起業に至るまでの道のり

本日はよろしくお願いします!
杉本さんは大学生の時に起業されたのですよね?
そうです。大学を卒業する前の1月に会社を作りました。
3月卒業なので、ほぼ卒業と同時くらいですね。
いつ頃から起業することを考えられていたのですか?
父が会社をやっていて、祖父も自営業をしていて、その影響もあったのかわからないですけど、いつか独立できればいいなとは漠然と思っていました。起業することにあまりハードルは感じていませんでしたね。

20歳くらいの時に就活をするかしないか考えた時に、自分でやろうと決めました。大学に行きながら、介護関連の資格取得のために別の学校にも通いました。

ご家族の影響もあって、昔から独立したいという思いをお持ちだったんですね。
そうですね。もともと1人でできる仕事のイメージがあった法律家になりたいと思っていました。
周りに干渉されずに1人で仕事をしたかったので、それが最初の入り口ですね。
1人でやりたいという気持ちが強かったのですね。
大学進学の際は何で選ばれたのですか?
法律を学ぼうと思って法学部しか受験しなかったです。
結局大学で法律を学んだかはなんとも言えませが(笑)その時は介護のことは全く考えていなかったです。
大学に入る時点では介護は考えていなかったのですね。
そこから介護がご自身の選択肢になったのはどのような経緯があったのですか?
僕が高校生の頃に曽祖母が認知症になり、介護状態になったんです。
大学に入ってからは一人暮らしをしていたのですが、実家に帰るたびに症状が重くなっていくのを目の当たりにしていて、漠然と介護という問題に興味を持つようになりました。

弊社としてやっているのは介護をする側(事業者、介護職、介護している家族)のフォローです。
介護をする側の大変さをすごく感じていたので。

高齢者のフォローは介護事業者に任せて、僕らは介護する側のフォローに回ろうと思いました。

それは最初から介護をする側のフォローに回ろうと思ったのですか?
最初は高齢者支援の方を考えていました。介護事業を自分でできればいいなと思っていたんですけど、なかなかハードルも高いなと。
それで、大学の頃は資格を取ったり、介護施設の現状を知ろうと現場訪問をしていたんですよ。

いろんな介護施設を回る中で、やはり介護業界の人手不足の問題は深刻だと感じました。
そこで何かできることはないかなと考えて、人材事業からスタートしました。

「人」という課題にフォーカス

人材事業からスタートされたわけですが、そこから今の事業まではどのように拡大していったのですか?
1つ目のサービスはうまくいかなかったんですよ。
人っていう大きな課題に取り組む中で、戦略もプロダクトも甘かったので…。

WEB上での質の高いマッチングと、早期退職・介護業界からの流出の解消を意識して事業は行なっていましたが、なかなかそれを実現できなかったです。

その原因は何だったと思われますか?
自分の見通しが甘かったのはもちろんあります。
その上でWEBサイト上でできるマッチングの質の限界というものを体感しました。

業界からの人材流出については本質的に事業者側の改善をしないと、表面的にマッチングで取り繕ってもあまり効果はないのかなと感じました。

事業者側の問題というのは…?
例えば、記録を書くのに2時間かかるような、当たり前のようにまだある生産性の低い業務はまだまだ改善の余地があると思います。
バックオフィスだとか現場の方が苦手な部分のフォローをしていきたいですね。
介護現場により目を向けられるようになったんですね。
1つ目で失敗して思ったのが、よりユーザーの意見を聞こうということです。今までは感覚だけでサービスを作りがちだったのかなと思いました。

なのでオンライン介護支援サービスに関しては、現場の意見だったりとかを積極的に取り入れながら、医療分野で似たプロダクトが出ていたりもするのでそこを徹底的に調査しながらやっています。

医療の方で出ている場合もあるのですね。
医療の方が先行しているかと思います。
特に海外の事例も出やすいので先端事例とかをピックアップして、かつそれは日本でどれだけ使えるのかであったり、日本の制度設計の理解なども今回のプロダクト開発ではかなり意識をしました。

介護について正しい認識を

今は福祉・介護業界に特化した人材事業とオンライン介護支援サービス事業の2つをメインにされているんですよね。
そうですね。人材事業の方は競合も多いのですが、オンライン介護支援サービスに関しては競合はまだ少ないですし、これから企業としても従業員の介護離職は大きな問題になると思うので、今後そこのニーズはどんどん増えていくのではないかと思っています。
介護離職を減らすための取り組みはどういったことをされているのですか?
難しいのですが、日本の介護離職の1番の原因は文化だと思っています。今でも日本って親の面倒は自分で看なくてはいけないというのがあると思います。例えば地方出身で東京で働いていても親の介護が原因で帰ってしまうということがあります。

その次に情報格差ですね。必要な人に必要な情報が届いていない。
それによって事前準備も全くしていないのにある日突然親の介護がやってきて、仕事と両立は難しいということになって離職してしまう。

あと、介護が5年10年続く中でフォローしてくれる人がいないとフィジカル的にもメンタル的にもダメージがきます。
その積み重ねでの離職や、いきなり介護がやってきてパニックになって離職になってしまう。
結局離職してしまう方が大変なので、やめなくても続けられる仕組みがあるということを知ってもらって、サポートをしていく必要があります。

介護が大変になるまでの期間のサービス内容はどのようなものですか?
チェックとソリューションも2段階のものを用意しています。
チェックが「介護ドック」というもので、弊社独自で開発したリスク診断ツールになります。

ストレスチェックをイメージしてもらえればわかりやすいと思います。これを受けていただくことで自分のリスクを数字で提示して把握してもらえます。人事にとっても社内に内在しているリスクの把握ができるので、対策がしやすくなります。

ソリューションに関しては、専属の担当がパーソナルトレーナーのように付いてサポートを行います。
さらに裏側に介護職や医療専門職を集めたチームがいて、オンラインだからこそのチームでケアを可能にしています。

介護初期の保険申請や施設選び、各種手続きに関してはすべて代行することも可能です。
相談を待つのではなく、明日すべきことをこちらから働きかけるようなサービスを提供しています。
これらを福利厚生サービスとして法人企業に導入を進めています。

これすごいですね。相談相手がいるって安心ですね!
ちゃんと結果を出すことを目的とすると、ここまでやらないと意味がないと思っています。
セミナーや電話相談窓口くらいの対策だと離職防止は難しいと考えています。
確かにそうですね。
今後会社全体として達成したい目標はどのようなものですか?
安心して長生きできる世界を創りたいと思っています。
介護はする側が大変ですし、おそらくされる側もする側に大変な思いをさせたくないと思います。
ここのフォローをしっかりやることで将来的な不安感というものをなるべく減らしていきたいと考えています。

介護を経験していない人たちに自覚を持ってもらうためにはどのようなことをしていきたいですか?
そのための介護ドックでもありますね。
目の前で数字を見てもらって実際のデータでこうなりますよと目で見て分かってもらうのは大事なところだと思っています。
50歳から介護の準備をしましょうだと限界があるので、やっぱり30代から介護に対する意識を持っていただくことは重要と考えています。

今は法人向けにやっていますが、年内には個人向けに展開をしていきたいと考えています。
いろいろなところと展開してドラッグストアや保険会社のようなto Cでやっているところと組みながら進めていく準備を進めています。
そしていずれは行政で配られるサービスになるのが理想で、それくらいの信用を得ることが第一です。

超高齢化社会に適応して新しい社会インフラを作ることをミッションとしているので、行政の不足部分を補えるようなサービスにしていきたいです。

自分に合ったやり方でやればいい

学生という立場で起業されたメリット、デメリットはありますか?
学生時期ってどうしても学生起業っぽいことをしようとするんですけど、そんな必要はないのではと思っています。

弊社も最初は創業融資を取っているのですが、当時周りの大人からは融資は絶対取れないと言われていました。
でも自分で行ったら案外普通に取れたんですよ。
ということは誰がやってもしっかり準備さえすれば取れるんですよ。

なるほど。ベンチャーキャピタルに行ってみるとかですか?
それはそれでやり方としてはあると思いますけど、人それぞれ性格やタイプがあるので、自分に合ったやり方を選べば良いと思います。
結論としては、学生だから難しかったとか、学生だから良かったとかはあまりないですかね。
最後に、学生や未来の起業家にアドバイスをお願いします。
変な常識とかに縛られすぎずにやりたいことをやればいいんじゃないかと思います。諦めずに続けられればなんとかなると思います。
あとは、楽しければ続くと思いますね。

1つ目失敗して別にやめようと思えばやめられましたがど、うちは失敗してキャッシュインがない状況でも、次のプロダクトを立ち上げましたし、攻め続けて良かったと個人的には思っています。

やりたいようにやって攻める。でも誰にでも当てはまることじゃないので自分にあったスタイルを見つければ良いのかなと思います。
自分のタイプを見極めて、合うやり方ができればいいのではないでしょうか。

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