このマーケットは絶対に面白いと『副業×代理店』をやろうと思ったーー。
営業マンの新しい働き方を支援するウェブエックス株式会社の佐野社長にお話を伺いました。
2017年ウェブエックス株式会社を設立。
”営業”というセールス分野に特化したサービス
—本日はよろしくお願いします。
御社は営業にフォーカスしたサービスを展開されていますよね。僕も営業マンとしてとても気になりました。
“営業系の副業情報”を発信しているリファラル営業プラットフォーム
「 side bizz(サイドビズ)」を運営しています。
(ウェブエックス株式会社 HPより)
B to B の営業の仕事ってこれからもずっとなくならないと思います。
ただ今までの営業の仕方ってとても非効率で、例えば100件テレアポして1〜2件アポ取って、10件訪問して1件受注みたいな、そんなイメージですよね。
これを100%は無理かもしれないけど、少しでも業務改善したいと思いました。
Webで新規リードを獲得する手法もありますが、検索ページで上位に食い込んで勝てるのって1%なんです。
残りの99%がどうしているかというと、テレアポとか飛び込み営業等になると思うのですが、非常に厳しくなってきてるし、そもそもみんなやりたがらないですよね。
じゃあ紹介営業として「人から見込み客を紹介してもらう」リファラル営業の仕組みがいいのではないかと思いました。
また、少子高齢化によって営業職の採用が上手くいっていない企業が多く見られます。
しかし視点を変えれば、外部(他社や個人事業主など)には営業職の方がたくさんおり、その営業リソースを有効活用できないかという発想の転換です。
成果報酬型になっており、自分の人脈を紹介するだけで副業ができ、企業側も固定費や人件費がかからない新規開拓の仕組みを作ることができます。
リリースしたのが1年前の2018年6月なんですが、今は月間で10万PV、掲載の問い合わせが月間50件程、会員登録も月間で200〜300人程あります。
今までの道が繋がる
ーーすごいですね!順調に伸びてきていますね。
創業は2017年だったと思いますが、それまでは佐野さんも営業をされていたのですか?
そうです。大学卒業後は新卒で大手の証券会社に入り、営業をしていました。
その後インターネットに興味があったことから代理店の募集サイトを運営する企業に転職し、Webを使っての販路拡大サポートを6年程やっていました。
そこで事業責任者として一通りやってみて、最終的には私がいなくても新卒が今日入っても稼げるまでの仕組みになったんです。
故にやることがなくなってきて、これをやり続けても自分の成長が止まったような感じがしました。
それで独立をしようと思いました。
その時点では特に何をやりたいというのは決まっていなかったのですが、自分ができること、代理店展開の知見やWebの知見を使ったノウハウみたいなものはあったので、それが繋がって何かできるようなイメージはあったんです。
要は腹をくくることができました。
ちょうど同じ頃、部下のシステム責任者も辞めることが決まっており、じゃあ一緒にやろうかとまずはサービスを2つほど作ってみました。
でもローンチを終えた翌月に、厚労省から「働き方改革」の一環で、副業・兼業が解禁になるというニュースがあったんですよ。
このマーケットは絶対に面白いと思って『副業×代理店』でやろうと、そこからまた開発を始めました。
これだったら世の中の役に立てるのではないかと。
なので、立ち上げから一年はずっとプロダクト開発をしていましたね。
ーー起業する前から構想されていたわけではなかったんですね。
そうですね。多分、思いが強い人ってそんなにいないのではないかと思います。
今までやってきたことが繋がったみたいな。過去やってきたことは決して無駄ではなかったと、それが今にただ繋がっているというそんな感じです。
例えば今私が化粧品を開発して世に出すかといわれれば、多分やらないです。
なぜかというと過去と繋がらないから。
みんな過去と繋がったものをやっている。結局、自分は今まで何を成し遂げてきたのかを答えられることが重要で、その連続性になってくるのではないかと思います。
ストレスフリーで時間にとらわれずに働く
ーー今いろんなプラットフォームができていると思うのですが、その中で特に御社の強みとされている部分はありますか?
今までは私が前職でやっていたサイトもそうなんですが、掲載企業と会員(ユーザー)がいて、その人たちをマッチングさせたところで完結していたのが今までの代理店募集サイトプラットフォームでした。
つまり、マッチングサイトでしかなかったということですね。
弊社はプラットフォーム化しているので、全てがサイト内で完結しているところが特徴です。
言ってしまうと代理店展開となり、紹介者は取次とか代理店の一種として本来は掲載企業様との代理店契約が必要になってくるのですが、弊社はその仕組みをなくしています。
掲載企業様と弊社が掲載契約を結び、紹介者様と弊社が業務委託契約を結びます。
つまり弊社が真ん中に入ることによって逐一契約を結ぶ必要がなく、紹介者様は無料の会員登録をするだけで案件を受けることができます。
登録しておくだけで弊社がどんどん商材を仕入れていくので商材数が増えていく。
逆にいうと掲載企業様のほうも最初に契約するだけで実質的には代理店が増えていく、こういう世界観なんです。
アンケート結果によると、副業する上でネックになるのが時間管理らしいです。
つまり本業をこなしながら土日や本業が終わった後に副業をやるとなると身体的にもきつかったり、納期があったりすると納期に間に合わずに本業の有給を取って対応するという本末転倒なことにもなりかねません。
この時間管理が難しくパラレルワークが成立しないということも多いようです。
なので弊社の場合はノルマや納期をなくし、好きな時に好きなものを紹介して稼げるような仕組みにしました。
ノルマがあるとアポイントの質も下がってしまいますからね。
また、ただアポイント数を追うのではなく、掲載企業様と紹介者様のリレーション構築をとても重視しています。
逃げ道を作らずにやり続けること
ーー学生やこれから起業を考えられている方に向けて、ご自身のご経験も踏まえて何かアドバイスをいただけますか?
僕の経験則から言うと一度大企業に入った方がいいのかなとは思います。
何の経験もなくいきなり独立してしまうと、ビジネスの仕組みがわかっていなくて契約書を作れなかったり、名刺交換すらできないケースもあると聞いたことがあります。
今の時代はファイナンスも含めてある程度知識を勉強するみたいなスタンスが必要だと思っていて、それを提供してくれるのが大企業だと思うんです。
新人を育成するために投資をしてくれるので、新卒で大企業に就職すれば研修で知見を学ぶことができます。
私も新卒で大手の証券会社に就職し、ビジネスの基礎となるたくさんのことを学びました。
それから、みんな自分で壁を作っちゃっているような気がします。
でも壁を乗り越える方法って選択肢は無限にあって、それを乗り越えることによって成長します。基本的に乗り越えられない壁ってそんなに多くはないはずです。
だから「やり出したらやり続けること」が重要なんだと思います。
ーーすごくわかります!
佐野さん自身が今までの人生で最も大変だったなと思うことってありますか?
前職のメディアの立ち上げはすごく難しかったです。
私が入社した時点では月商数万円程のサイトでした。
20人くらいいたのにみんな寄ってたかってマネタイズできないという状態で、要はボロボロだったんですよ。
それをビジネスモデルを壊しては作ってを繰り返し、一年半くらいかけて再構築していきました。
今はおかげさまで業界で一番大きな代理店募集サイトになりましたが、それまでの道のりは苦労しましたね。
なによりそれまで証券会社にいたのでITのことが全くわからなかったんですよ。
外部へのメール連絡は一切禁止されていたので、メールの打ち方すらわからなかったんです。
中途で入社して一番最初に聞いたことは「メールのCCとBCCの違いを教えてくれ」でした(笑)
ーーそこから始めたんですね(笑)
そこから始めました。本を読んだりしてインプットして、それをアウトプットするという作業をひたすら続けてITを勉強しました。
金融ってものすごく歴史がある業界で、ここにたかだか3年なり5年いてもプロフェッショナルがたくさんいるのでなかなか戦えないんです。
でもITはどうかというと、私が入ったのは2011年で、ITバブルと言われているのが2000年なんです。
たかだか10年くらいの歴史だったらこの業界で5年やったら勝てるんじゃないかみたいなロジックがあって、だから素人でもいけると思って入りました。
そしたら意外と行けましたね。
ーーすごいですね。大変だったと思いますが、どういうモチベーションでやられていたんですか?気持ち的に落ち込むことも絶対あったのではないかと思います。
正直ありましたけど、腹くくっていましたね。やるしかないと。
真剣勝負っていう、ただそれだけです。木刀で殴り合っても死ぬわけじゃないんで、成長しないんです。
そうじゃなくて真剣を持ち寄って勝負すると覚悟を決めて、失敗したら死ぬぞっていう状態に自分を追い込むと必死でやるので、それがポイントなんじゃないかと思います。
逃げ道を作らないことですね。
ーー佐野さんはすごく覚悟を決められているんだなと感じました。
フリーランスという働き方は今はまだそんなに一般的ではないですが、これからどんどん増えていくと思います。
営業フリーランスが働きやすい仕組みを作っていきたいですね。
エンジニアやプログラマーといった方たちがクラウドワークス等を使うのと同じようなイメージで、営業職の方も独立した時に生活に困らないようなプラットフォームを提供できればと思っています。