サーフィン、ダンス、スケボーなどのストリート・アクションスポーツ総合メディア「FINEPLAY」を運営し、その魅力を世界に発信し続けている株式会社ZETA。
サラリーマン時代にメディアを立ち上げ、今に至るまでの経緯や、その想いを財満社長にインタビューしました!
卒業後はヤフー株式会社にて広告営業と編集に携わり、Yahoo! JAPANの特集を企画制作。2016年に株式会社ZETAを創業。サーフィン、スノーボード、ボルダリングなど数多くのスポーツを楽しむ。
ストリート・アクションスポーツに特化したメディアを作る
早速ですが、事業内容について教えてください。
そもそもなぜストリート・アクションスポーツに特化したメディアを運営しようと思われたのですか?
社内で新規事業創出のコンペがあり、僕はアーバンスポーツのマッチングサービスを考えたのですが、最後決勝で負けてしまいました。
それなら自分でやろうかとも思ったのですが、個人でやるとなるとお金がすごくかかってしまうので難しいなと。
アーバンスポーツ自体は好きだったので、何かやりたいと思いメディアを始めることにしました。と言うのも、僕はそういう映像を見るのが好きだったんですが、専門的なサイトがなかったんです。
なので、そういったスポーツのかっこいい映像だけを集めたサイトを作ろうと思いました。
その後、どういった活動をされていたのですか?
なので、それまではYouTubeの映像を集めているだけのサイトだったものを、ちゃんとしたニュースメディアにしようと転換を図りました。
経験はなかったのですがいろんな大会に声をかけて、カメラを持って、見よう見まねで取材を始めたんです。
実績もないし、最初の頃は取材を断られることも多かったのですが、知り合いの紹介とか、小さいイベントにも全部顔を出して1人で取材を続けていましたね。
2020年東京オリンピックの種目に!
それが決まったとき、そこを全部フォローしているメディアはFINEPLAYしかなかったんですね。
そこから結構いろんな問い合わせをいただくようになり、他メディアさんとの連携のお話や企業さんから一緒に企画をやろうという話も増えてきました。
こういうスポーツって、好きな人はすごい好きで、カメラマンとか映像マンとか編集とかも問い合わせからやりたいと声をいただいて、段々仲間も増えてきた感じです。
とにかく覚えてもらおうと、現場では選手や業界関係者と必ずコミュニケーションを取るようにしていました。
僕は全部の現場に行っていたので、3年くらい経った頃から徐々に覚えてもらえるようになってきていて、選手たちとも仲良くなってきて。
ゼロから作ったメディアでしたが、「いけるかもしれない」という手応えは感じていました。現場を重要視した結果が今に繋がっているんだと思います。
プロもアマチュアもパラも関係ない。1人のアスリートとして
あとはこういうスポーツって音楽とかファッションにも関わってくるのでカルチャー分野、どれにもあてはまらないところはその他、という感じでカテゴリ分けして記事があります。
僕らはメジャースポーツは取り扱わないと決めているんです。サッカーメディアとかは他にもありますから。
僕はマイナースポーツと言われているストリート・アクションスポーツに光を当てたいと、野球やサッカーニュースのところにサーフィンのニュースが入ってくるとか、スケボー選手のインタビューが入ってくるとか、そういうのが当たり前な世界にしたいという想いでやっています。
財満さんがその考えに至った理由や、メジャースポーツにフォーカスされない理由は何かあるのですか?
何かに特化して、そこだけ追求してやれば強みになると思いました。
それから、いわゆるパラスポーツと普通の健常者で区切るのがすごく嫌なんです。
僕も今までパラ選手の方々と仕事をしていろんな話を聞いてきましたが、彼らも自分の障がいを苦に思っていなくて、普通にアスリートなんです。
大丈夫かな?って逆に健常者の人たちが案じているだけで、本人たちは微塵にも思っていないし僕もそういう考えなんです。
以前、全盲でクライミングされている方を取材させていただいたことがありますが、別に目が見えないってだけでクライマーだしアスリートなんです。関係ないんです。
メディアや映像を制作されるにあたって、どうやったら相手に伝わるか、何か意識されているポイントや気を遣われているポイントってありますか?
FINEPLAYには、現代アート作品を手掛けるアーティスト・TAKAの連載記事があります。フリースタイルスキーヤーだった彼は転倒事故により頸椎を骨折、肩から下が動かなくなりましたが、現代アーティストとして活躍しています。
(引用:FINEPLAY https://fineplay.me/culture/39529/)
話をしてみると、彼も元々スポーツプレイヤーということですごく共感してくれて、FINEPLAYで取材させていただくことになりました。
TAKAを取材してる中で、彼は「フリースタイルスキーヤーの時より今アーティストとして活動していることの方がパワフルになっている」と話しているのを聞いて自分自身とても刺激になりましたし、TAKAの夢や活動をたくさんの人へ伝えたくて、FINEPLAY内でTAKAの連載記事を掲載しています。
始めるのに遅いことはない。生涯スポーツを楽しんでほしい
今後作っていきたい世界観があれば教えていただけますか?
サーフィンとかスケボーっていわゆる昔は、遊びでしょ?とか、不良がやるものでしょ?というイメージがあったかもしれませんが、今はオリンピック種目にもなっています。
サーフィンもスケボーもダンスも世界で活躍する人が増えて、それを目指す人もどんどん出てきて、豊かな気持ちになったり、人生に活きてきてくれたら嬉しい。
僕もそうなんですけど、スポーツをやるとストレス発散になるし、健康にも良いし、自分の生活のリズムができるんです。
それは他のメジャースポーツも同じだと思いますが、このストリート・アクションスポーツももっとたくさんの人に体験してもらって、実際にやってもらって、それを自分の人生の中にリズムとして浸透してくれたら嬉しいなと思います。
でもプロ選手の生の声を聞いたり、実際にそのスポーツを知ることによって興味を持ったり意欲に繋がる人も増えると思うので、より広めていって欲しいです。
だから僕より上の年代の方にもどんどん挑戦してもらって、楽しんでもらいたいなと思っています。そこでコミュニティも広がりますしね。
スケボーなんて危ないと言っているおじいちゃんとかにやってもらいたいなと思っていて、「ね?楽しいでしょ?」って。理解して一緒にやったら絶対いい社会になると思うんです。
だからダンスもそうですし、パルクールで走ったり飛んだりするのも、そういう歳を重ねた年長者の人たちともやりたいなと考えています。
続けることが何よりも大事
最後に、これから起業を目指す人だったり、若者に向けてメッセージをいただけますか?
自分がやりたいことを追求していたら会社を作ったほうがやりやすいとは思うので、今思うと、もう少し早めに起業しても良かったのかなとは思います。
自分がやりたいことがあって迷っているのであれば、僕は踏み出してやってみたほうがいいと思います。別に死ぬわけじゃないし、今の日本の環境だったら絶対なんとかなると思います。
1回失敗したってまたやり直しもきくんだし、立ち上げることは誰にでもできます。
ただ、それを続けること、グロースすることが一番難しいので、それを自分の心が折れずにどれだけやり抜けるかだと思うんです。自分の想いの強さというのは試されると思います。
僕は基本ポジティブなので、ネガティブなことはあまり考えないんです。僕が生きている限りメディアはずっとやりますし、僕の意思を継いでくれる人によって永遠的にこのメディアは続くようにしたいと思っていますし、できると思っています。
いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
スポーツは野球やサッカーだけじゃない。いろんなスポーツを観て、実際にやって、楽しんで欲しいという財満さんの想いが、取材を通してすごく伝わってきました。
今はメディアだけに留まらず、写真展を開催されたり、スポーツTV番組の制作協力をされたりと活動の場をどんどん広げられています。
ストリート・アクションスポーツが今後益々盛り上がっていくよう応援しています!