フリーランス研究家:黒田悠介の未来予測。 組織の時代→個の時代→コミュニティの時代→次は・・・の時代。

会社員・会社役員・起業と経験し、最終的に行き着いたのはフリーランスだった。
どうしてフリーランスだったのか?その魅力とは?

「フリーランスを実験し、世に活かす」という活動ビジョンのもと、自分自身を実験台にしているというフリーランス研究家・黒田悠介さんにお話を伺いました。

人物紹介:黒田 悠介さん
フリーランス研究家。ハンチング帽とメガネがトレードマーク。東京大学文学部心理学科→ベンチャー社員×2→起業(売却)→キャリアカウンセラー→フリーランスというキャリアを持つ。大人数のパーティーよりも少人数で議論するほうが好き。

 

人物紹介:インタビュアー 松林
南青山の夜王@修行中。オールラウドスポーツサークル→ベンチャー企業事業責任者→大手文具メーカーのバイヤー→株式会社SEASIDEのコミュニティマネージャー。どのポジションでもお酒を飲むことを求められるポジションに従事。現在は週8−9飲み会に参加。

 

議論することが好き!好きを仕事に

—本日はよろしくお願いします。
早速ですが、黒田さんがどのような活動をされているか教えてください。

今は主に3つの活動をしています。

①ディスカッションパートナー

経営者の壁打ち相手のようなことをしています。経営課題や新規事業に特化し、事業構想に始まりビジネスモデルや事業戦略、プロダクト開発までをサポート。
コンサルとは違って答えを教える人じゃなくて、答えを一緒に考えて作る人という立場で、伴走するやり方を取っています。

ディスカッションするのが好きなんです。ディスカッションを通じて、人の課題を解決できたり、相手のものの見方が変わったりするのが好きです。

②議論メシ

議論というフラットでポジティブな対話でつながるコミュニティを作っています。
議論したいテーマを持っている人は世の中に意外といるなと思って、そういう人たちを集めて議論し合える場を作りました。

お互いの意見や価値観を尊重しながら、新しいアイデアやモノの見方を一緒に作り上げる実験場となっています。

③FreelanceNow

約3,000名が所属する、日本最大級の実名制フリーランスコミュニティメディアをやっています。
企業もフリーランスも完全無償で利用できるセルフサービスになっており、短時間で適切なパートナーにマッチングすることができます。

 

—もともと議論することが好きだったということですが、ディスカッションパートナーになるまでにはどういう経緯があったのですか?

前職では学生向けにキャリアカウンセラーを行っており、年間何百人もの学生さんに会って、その人の考えを整理しながら意思決定のお手伝いをするということをしていました。

そのおかげで、対話を通じた課題解決や、新しいものの見方などお互いに影響を与え合えるのが議論の非常に面白いところだなと感じるようになりました。

元々はWebディレクターをやっていたのですが、その頃からコンセプトを決める議論とか、そういうフェーズが一番楽しかったので、そこだけに特化したのが今という感じです。

一番自由だったのがフリーランス

—フリーランスになられてメリット・デメリット色々あると思いますが、一番大変だったところはどの部分ですか?

一番最初の滑り出しだったと思います。4年前にフリーランスになったのですが、前職のクライアントには手を出さないと決めていたので、案件0の状態でスタートしました。

なので、最初ココナラに登録して、500円の仕事を月に4回くらいやって、それが最初の収入でしたね。ココナラでは実名で登録していたので、Facebookでわざわざ検索して見つけてくれた人がいて「アウトプットが非常に良かったので、別のかたちで依頼したい」と連絡が来るようなこともあり、徐々に仕事が決まるようになりました。

動き出したら、そこから仕事が次の仕事を呼んでくれたり、クライアントが別のクライアントを紹介してくれたりと続くようになったので、滑り出しが大変だったという感じです。

—逆に良いところは自由さというところですか?

そうですね。自由度は高いです。ただ、ひとえに自由度と言っても5パターンくらいあると思っています。

どの自由度を重要視するかによって、働き方や生き方が違ってくると思います。私の場合は、特に時間と関係性の自由が重要でした。

時間に融通が利いて、誰と仕事をするか選べるような働き方を模索していった結果、会社員、会社役員、起業と全てやりましたが、最終的にフリーランスに行きついたという感じです。
気付くのに時間がかかりましたね。

会社員だと自分の同僚や上司を選べなかったり、経営者になったらお金に困っているときはクライアントはあまり選ぶ余地がなかったり。経営者は背負っているものがあるので、社員や社員の家族のことを考えたりすると意思決定も安易にはできないので、意外と自由ではないんです。

いろんなキャリアを経験しましたが、一番自由だったのがフリーランスでした。

—フリーランスと法人を比較して、ここは例えば、法人のほうが良かったなというところはありますか?

資金調達のしやすさですね。フリーランスは資本集約ということができない。お金を使ってドンとやることができないので、会社という箱を使えたほうが株式で調達できたりしますし、融資も受けやすいです。

ただ、大規模な投資をしないといけない事業に限っては法人のほうがいいと思いますが、それ以外ではフリーランスでも会社的なコミュニティも作れるし、案外差はもうないような気がします。

人のリファレンスが一番。思わず人に伝えてしまうくらいの価値提供を

—「信頼性」の部分をお聞きしたいです。個人の信頼性って、実績とか繋がりのようなところから色々証明されていくと思うのですが、何で一番信頼を得られると思いますか?

一言で言うと、英語で言う「WORK」が全てだと思っています。

WORKにはいろんな意味があり、その中には「作品」という意味もあります。例えば、自分が作ったコミュニティ、研究論文や出版した本、SNSのフォロワー数なんかもそうです。何らかのカタチとして残せていれば信頼性に繋がるのだと思います。

私の場合は、クライアントからクライアントに紹介してくれるという、人のリファレンスが一番です。案件の7割は紹介からです。

なので、リファレンスされるだけの仕事をきちんとやる。期待に応えるだけではなく、期待を超える。

「思わず人に伝えてしまうくらいの価値提供をする」ということを意識してやっています。目の前のクライアントとどう向き合うかが全てだと思っています。

自分で自分を育て続ける

—ご自身もフリーランスとして活動されている中で、フリーランスに向いている人・向いていない人ってどういう人だと思いますか?

カードの切り方だけだと思うので、別にこうじゃないとなれないというのはほとんどないと思っています。

ただ一つ短期的に言えば、1日に何度も意思決定があるので、そういうのに慣れていないというか、自分で意思決定することをしんどいと思う人は向いていないかもしれません。

それから、長期的に言えば上司がいないので、誰もトレーニングしてくれないし、自分の未来のことを考えてくれる人もいないです。誰も育ててくれない状況にどう対処できるかですね。

自分で自分を育て続けて、自分の5年後10年後をどう考えられるかという中長期的なプランを持つという意識は必要かもしれません。

 

—フリーランスの方のキャリアへの投資というのは、黒田さんはどうお考えですか?

分かりやすくスクールに通うという方法もあると思いますが、あまり意味がないと思っています。実務で学ぶしかないので、成長するためには私は背伸びして受けちゃうのがいいと思います。

やれなくてもやれますと受けて、仕事が始まるまでにキャッチアップして勉強して、やりながら挑戦していくのがいいのではないかと思っています。意外とそこで背伸びしない人が多い気がしますね。

私は背伸びして取れるボールを自分なりに考えて、ジャンプしてボールを取りに行くくらいのことを考えています。高めのボールを、「へい、パス」と言うと飛んでくるじゃないですか。あの「へい、パス」をちゃんと言う、高めのボールを貰うようにはしています。

毎回が真剣勝負!

—黒田さんが仕事をする上で意識されていることはありますか?

どんな案件だろうとディスカッションはほぼ全編アドリブなので、その場で相手がどういう状況で何を欲しているかに合わせて、毎回やることを変えています。なので、毎回緊張します。

気が抜けないのですが、それが楽しかったりもします。

契約も期間ではなく、毎回都度更新にしていて、次回もやりますと言われたら継続になります。その緊張感がないとダレちゃうというか、1年くらいで契約したら適当にやっても大丈夫かなと思っちゃうので、そういうことにならないようにしています。

—すごいですね。毎回が真剣勝負なんですね。
プロフェッショナルだと思います。

飽き性なのもあるんですよね。ずっと1年とかやれるのが向いていなくて、また新しいプロジェクトに関わりたくなるんです。
自分の何にモチベートされているか次第だと思いますが、私は好奇心で動くタイプなんです。

目的を決めたことはあまりないですし、今やろうと思ったからやるというか、面白そうだからやるというケースがほとんどです。
もちろん5年後10年後みたいなことも頭には入れていますが、その前提で、今やりたいなと思えるものをやっています。好奇心を持てて、かつ自分の未来予測と合致する部分ですね。

自分ができるかどうかではなく、canは無視しておいて、willと未来へのneedみたいなところから逆算してやることが基本です。

仕事の数は増やさず、1個1個に真剣に向き合って、なるべく未来のことを考えたり、種まきをする時間を多くしてやっていますね。

これからはコミュニティの時代が来る

—黒田さんが思い描く未来ってどういう世界観ですか?

例えば、今は「個の時代」と言われていますが、それって相当タフな概念です。全部自己責任だし、それこそ自分は自分で育てなさいとか、仕事も自分で取らなくてはいけなかったり、疲れてしまう人もいると思います。

組織の時代から個の時代にはなりましたが、逆に個の時代も辛いので、ちょっと寄り戻しがあって、この先コミュニティの時代が来るのではと読んでいます。フリーランスもチームを組むようになってきていますし、私のやっている議論メシみたいなコミュニティにも人が集まってきていますし、オンラインサロンも流行っています。

そういった形でコミュニティの中でいかに自分のやりたいことをやるか、コミュニティをポートフォリオにして自分のやりたいことを実現させるという流れがこれから来るような気がしています。

また、自分が何を得たいのかをコミュニティごとに変えていく必要があると思っています。お金はこのコミュニティ、癒しはこのコミュニティという風に機能別に分けるのがいいと思います。一つのコミュニティに全てを求めてしまうのは、相当難易度が高いですからね。

 

—それを理解した上で、どこのコミュニティに入るかを決定していくと?

そうです。投資でお金をどう分配するかと同じように、自分の時間とかアテンションをどう分配していくかというのが、コミュニティポートフォリオの戦略なんだと思います。

組織の時代、個の時代の次のコミュニティの時代、コミュニティの先のコミュニティポートフォリオの時代、ここ5年くらいで起きると思っています。

これから来そうなことは何となくイメージしていて、当たるか外れるかは分からないですけど、それに合わせて行動をしています。全部種まきです。

 

—種まきできる人とできない人がいると思うんですけど、できる人ってどういう方だと思いますか?

畑を二つか三つ持っていればいいのかなと。この畑は5年後に採れるものは用意しつつも、この畑は毎年ちゃんと収穫できるというものを作っておいて、長期的な計画と短期的な計画を織り交ぜておけば、焦る必要はないのかなと思います。

私の場合はコミュニティは長期的な計画なんですけど、ディスカッションパートナーは短期的なものです。長期的なことをやりたいなら、手前で稼げることをやっていくのがいいのではないかと思います。

金融資産社会資本人的資本のどれかのストックが少なくともあれば、そんなに気にしなくても種まきはできるのではないかと思います。

これからフリーランスを目指す人へ

—これからフリーランスになりたい人、起業したいという人はまず何をやったらいいと思いますか?

そうですね。下記のようなことだと思います。

とりあえずやってみる!

—自分のことを理解する、自分らしさを見つけるにはどうするのが良いと思いますか?

まずは何でもやってみることだと思います。

頭の中で考えて自分が見つかるとか、誰かに聞けば見つかるとかそんなことはなくて、やってみて実践の中で自分が見えてくるのだと思います。つまらなかったり、向いていなかったりしたら辞める。でも、楽しかったり向いているなと思ったら続けてみて、最終的にそれが誰かのニーズに繋がって、お金も稼げるようになっていくのだと思います。

私も今までいろんなことをやってみて、20やったら3残るみたいな、向いていないものもたくさんありました。行ったり来たりしながら、螺旋状に上に上がっていくような感じで、ずっと進んできたのかなと思います。

—まずは実際にやってみて、自分のことを知っていくことが大事ですね。
今日はとても勉強になりました。ありがとうございました。

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